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2018年も残りわずかとなって、テレビは殆どが特別番組構成ですね。
通常番組の中でも今年を振り返るコーナーなどが設けられる時期ですが、今年は「1年を振り返る」というより「平成を振り返る」内容が多いかな。
”平成最後の”というフレーズがよく聞こえてきます。
平成から次の時代に変わりゆく中、色々な場面でひとつの時代の終焉を感じることが増えました。
区切りを付けやすい時期なのかもしれません。

そして昨日の夜、またひとつ時代の終わりを感じる出来事がありました。
彼を初めて知ったのは76回の高校サッカー大会です。
既に来季入団が決まっていたので、どんな選手なんだろうと興味を持ちながらその大会は見ていました。
彼を含めこの大会で活躍した選手がうちに5人も入団し、ユースから昇格したソガを含めた6人の同期生は「鹿島V6」なんて呼ばれたりしましたっけ(笑)。
入団当初はまだまだその上のベテラン勢が活躍していたので、チームのスタメンに名乗りを上げるチャンスはあまりなかったのですが、その間にワールドユース代表に参加し準優勝の快挙を成し遂げたり、シドニー五輪で活躍したりと、ゴールデンエイジ世代の彼らはやがて日本代表の中心選手へと成長していきます。
その中の一人が、彼でした。
鹿島の中でも重要な存在になり、チームを超えて日本のサッカー界を盛り上げる一人になりました。

見て分かるとおり、寡黙な人です。あまり感情を表に出さないし、表情もポーカーフェイスが多いです。
なので、パッと見の印象はとっつきにくそうと思われがちです。
うちは結構ファンサがフレンドリーな選手の多いので、そういう彼は『ファンサが悪い』『愛想が悪い』というイメージを持たれる場合も少なくないです。
でも、他のチームのサポは分かりませんが、うちのサポで彼に嫌悪感を持つ人はおそらく誰一人いないはず。
彼の本当の姿を知ってる。
サインをしてくれるとか愛想を振る舞ってくれるとか、それだけがファンサではない。
どれほどチームの勝利に拘っているか。どれほど、チームを愛していたか。
それを結果にしようと奮起し、戦い、形にして見せてくれた。
その結果が、ユニフォームに輝く20個の星です。
21年間のプロ生活の中で、彼が貢献したのは17個の星。
サポにとってこれ以上のファンサはないでしょう?一番の喜びじゃないですか。
彼は、それを私たちに与えてくれたのです。

まさに昔の頑固オヤジ的な、職人気質な、そういう選手でした。
あれこれ言わず、黙々と自分の志す姿勢と行動を見せる。サッカーに関わる彼はいつもそう。
この影響力は周りの選手にとって半端ないです。
若手の後輩たちが口を揃えていつも言う。
「満男さんが頑張ってるんだから怠けてられない」
「父親の背中を見て育つ」とか言いますが、うちの若手はみんなそうやって成長した。
彼がいたから移籍してきた。彼を目標にしてやってきた。
天性の技術などは敵わないけれども、彼のようになりたい、少しでも近付きたい。
そうやって個々が自分を奮い立たせながら、前を向き勝利を目指す。
年下の選手にとって憧れの人だった。大きな人だったと思います。

私が一番印象に残っているのは、99年のナビスコ杯決勝in国立です。
レイソル相手に延長でも0-0のまま最後はPK戦に。
その最後にPKを蹴ったのが彼で……それが止められ、うちは準優勝という結果になりました。
試合後、涙を流しながら先輩に肩を抱かれてピッチを去る姿を、今でも忘れられないです。
あんな風に泣くオガサを見たのは、今も昔もこの時だけです。思い出すと胸が詰まります。
本当に悔しかったんだと思う。入団して二年目、まだそれほど出場回数が多いわけではなかった頃ですが、それでもその責任と悔しさは彼の中に刻み込まれて、そうして2018年まで走って来たのだと思います。
18歳で入団してから39歳まで、そんな風に彼は常に走ってきました。
サッカー選手として、カッコイイ選手でした。
他のチームの選手やサポからは嫌われてたでしょうね。でも、嫌がられるってある意味褒め言葉ですから。
彼という選手が、選手生活のすべてを注いでくれたことは、カシマが誇れる自慢のひとつだと思います。

第二の人生、彼はどんな道を選ぶんだろう。
うちはそれなりの用意をしているはずだけど、指導者としてここにいてくれるかな?
それとも地元の岩手に戻って、子どもたちにとっての指導者になるかな。
ずっとずっと、3.11のあの日から、東北の復興を考え続けている彼だから。
それもまた、彼らしいな。
サッカーで生まれ育った岩手を、そこで生きる子どもたちに夢を与えて生きるのも彼らしい。
どんな道を選ぼうと、変わらず走り続ける気がします。
その場所で、憧れの存在になるんだろうな。
まずは21年間お疲れさまでした。うちのチームを選んでくれてありがとう。
そして、うちのチームを育ててくれてありがとう。
めぐさん
Posted byめぐさん

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